本日、マツダ株式会社が「第158回定時株主総会」を開催しました。
私が聞いた内容をまとめてみました。
今年もやって参りました。
今回は「不正問題」が大きく影響していることもあり、内容的にとても注目を浴びている株主総会となっています。私自身もどんな謝罪をするのか、又はどんな質疑応答が飛んでくるのかなど、とても興味深いんですよね。
簡単ながらに聞いた内容をまとめてみました。
報告事項
■業績報告
- MAZDA CX-90を米国にて販売開始
- MAZDA MX-30 Rotary-EVを日本にて販売開始
- MAZDA CX-70を公開、4月より北米市場で販売開始
- 既存モデルであるMAZDA3、CX-30、CX-5、CX-3にも商品改良を実施
- 「MAZDA ICONIC SP」を公開
- 年間配当は「1株当たり60円」
- 2025年3月期中間配当は「1株当たり25円」を予定
■不正問題の報告
- 毛籠社長から直接報告
- 現在、ロードスターRFとMAZDA2は審査を受けている最中
■2030年に向けた経営方針
- マツダ初の専用プラットフォームの「バッテリーEV」を2027年に導入
- 今年の後半に「CX-50 HYBRID」を北米市場に導入
- 「MAZDA EZ-6」を今年中に導入
質疑応答
※私個人で聞いた内容なので、間違っている可能性があります。
Q:型式指定の不正問題について
A:現場判断にさせてしまったことが原因。すぐに止まって対応できる仕組みを構築する必要がある。風土、仕組みなどを変えていく。
Q:株価向上、株主還元について
A:経営陣の重要な責務。今後もさらなる向上に努めていく。将来のビジョンを適切なタイミングで説明していく。
Q:バッテリーEVの考え方について
A:マルチソリューション戦略でやっていく。e-Mazdaを発足して2027年にはグローバルで導入していくために開発を進めていく。EVであってもマツダらしさをなくさない。デザイン、ヒト中心、走る歓び、安心安全を高めていく。
Q:マツダの株価が低すぎる。経営陣がぬるま湯で良くないんじゃないか?報酬の返上はできないのか。
A:(菖蒲田)株価向上に向けて経営陣全員で頑張る、ご理解。
Q:型式不正の一部ボンゴシリーズがなくなってしまった。トヨタの言いなりになっていないか?
A:(毛籠)商用車については、OEMなのでOEM先の動きを待っている。マツダは商用車でビジネスをやっていたが、試乗の変化でラインナップを動かしていった。日本は引き続きOEMの戦略。ご理解。
Q:SKYACTIV-Xについて。MAZDA3に乗っているけど、SKYACTIV-Xは今後どうしていきたいのか?
A:(廣瀬)マツダは燃焼技術の向上を3段階で実施している。SKYACTIV-Xは現在2段階目の技術となっており、SPCCIを今後さらに革新させていきたいと考えている。
Q:マツダの品質が良くないという評判があるが、どう思っている?
A:(向井)品質については迅速解決を目指している。毎週、役員が原因究明などの会議を行っている。モデルベース開発を活用して事前検証をしている。
Q:「電動化だけに特化していいのか」という意見
A:(毛籠)カーボンニュートラル実現には時間がかかる。マツダは内燃機関を電動化していくことが大事だと思っている。業界を超えて実現していくことを取組む。
Q:ロードスターは今後どうなっていくのか
A:(廣瀬)ロードスターは「ライトウェイト」。この軽さを維持していくのが重要。内燃機関の開発に努力していくので、今後も努力していくから期待してほしい。
Q:本社工場の火事の件で工場の老朽化が気になるけど、工場のリニューアルの予定は?
A:(向井)我々もリニューアルをしたいと思っているけども……。防府の第二工場で電動化に対応するリニューアルを行っている。1歩ずつやっていくので見守ってい欲しい。
Q:株主総会の資料に横文字が多くて分かりにくい。横文字の説明を最後の方にでも良いので載せてほしい。
A:(菖蒲田)貴重なご意見。今後、分かりにくいのは改善していく。
Q:毛籠社長が社長になって良かった。4,5年ぶりに来たけど株主総会の雰囲気がいいねという意見。
A:(菖蒲田)激励ありがとうございました。
Q:ロータリーエンジンについてなぜ廃止したのか。なぜ復活したのか?
A:(廣瀬)ロータリーエンジンの利点は「コンパクトで高出力」欠点は「燃費」と「排ガス規制」となっている。ロータリーエンジンと電動化の組み合わせは、ロータリーエンジンの欠点をカバーすることができる。ロータリーエンジンは様々なカーボンニュートラル燃料に対応しているので、将来性を見出すことができる。排ガス規制のエミッションは課題なので、これから頑張っていく。
Q:マツダのブランド価値改善について。マツダの古いクルマをもうちょっとアピールしてほしい。マツダの古いクルマの価値が上がっているので、もうちょっとアピールすればいいのでは?
A:(毛籠)賛同できる提案。マツダ地獄を脱却するためにブランド価値改善を10年以上すすめてきた。レストアについてもご注文をかなり頂いている。もう少し強化を考えていきたいと思う。
Q:ロータリーエンジンを駆動とした搭載車両(ICONIC SP)はでないのか。水素エンジンの可能性はどうなのか?
A:(廣瀬)ICONIC SPは出したい。でも、排ガス規制が課題である。総力を挙げて取り組んでいる。そこが解決すれば先が見えてくる。水素に関しても頑張っていきたい。
Q:KDセンターの出島地区への移転で「防災」は大丈夫なのか。跡地はどうなるの?
A:(向井)移転を計画しているのは事実。まだ広島県で審議中。防災上の懸念については、建設段階でしっかりと条件を満たしていきたいと考えている。他の工場の護岸工事は完了。跡地は、広島県で公共の埠頭として活用していくと聞いている。
Q:ロータリーエンジンで再び旋風を起こしてほしい
A:(毛籠)我々の年代では特別な技術である。将来に向けてはロータリーエンジンをかつ用意していくことを実現したいと考えている。カーボンニュートラル燃料が普及すれば、ロータリーエンジン駆動も実現できると考えている。
Q:組織風土改革の「ブループリント」について。現状における組織風土の問題点は?
A:(吉原)今までは上から指示が出ていたが、今後は現場の社員が考えて作業していってほしいのがブループリントというもの。
Q:今回以外の不正行為があった場合、役員はどう責任を取るのか?
A:(毛籠)二度と再発をさせない。全力で頑張る。
Q:不正の件数をどう認識しているのか?自動車メーカーとしては仕方がないことなのか?
A:(毛籠)法令違反は件数の問題ではない。やってはいけない。法令を遵守する体制を作っていく。今回は現場での工夫が仇となってしまった。ソフトウェアの開発で時間がかかってしまうので、認証する時間を増やしてりした。日野自動車やダイハツの件で都度自車で改善をしている(ダイハツの件では類似事案があったという報告があってショックを受けた)マツダの社員は誠実であるので、今後も改善していく。
終わりに
今回は不正の謝罪から始まりました。
質疑応答に関しても、不正問題についてが何個か出てきましたねぇ。ただ、それでも毎年「ロータリーエンジン」に関する質問が出てくるのがマツダらしいですねぇ。
それにしても毛籠社長はなかなかに回答がうまい。
どのような質問でも人を引き付ける回答をしているのが素晴らしいと思いました。