マツダの新世代エンジン「SKYACTIV-X」
日本でも12月5日に発売が開始されます。
今回は、その「SKYACTIV-X」のカプセル化技術について個人的に気になることを書き記します。
情報元は、マツダ公式ページです。
今年も「マツダ技報」が公開されました。
新世代商品群に搭載された新技術などの論文が掲載されています。
今回はSKYACTIV-Xの「カプセル化技術」についてです。
「SKYACTIV-X NVH技術」という論文が掲載されています。
→SKYACTIV-X NVH技術
こちらに「吸遮音材によるカプセル化技術」という一節があり、カプセル化の説明が書かれていました。
吸遮音機能の理想は,放射源を完全に覆い,外に漏らさないことである。しかし,実際のエンジンは熱害などから完全に覆うことは困難であり,透過する音が存在する。
SKYACTIV-Xでは,Fig. 10に示すように,効率的に遮音効果を高めるため,音源であるエンジンに直接遮音材を付加することで,可能な限り音がエンジンルームに拡散しないこととした。更に,エンジンルームという囲まれた空間を利用し,反復吸音することをコンセプトとしたカプセル技術を開発した。
一方,SKYACTIV-Xの燃焼刺激力はSKYACTIV-G比,14倍大きく,SKYACTIV-Dと比較しても2倍近く大きい。異なるエンジンを搭載する車の遮音効果をSKYACTIV-Xに合わせてしまうと,それ以外のエンジンに対しては品質やコストともに過剰となる。このため,SKYACTIV-Xのみをカプセル技術(ユニーク構造)で適用させつつ,共通となる車体遮音でSKYACTIV-G/D/Xを成立させるよう,全体最適を図った。引用元:SKYACTIV-X NVH技術
SKYACTIV-Xのみに搭載されているカプセル化技術は熱害を考慮しつつ、反復吸音をコンセプトに開発されたんですねぇ。特にエンジンに直接遮音材を付加しているのはスゴイ。
現状、動画でしか確認はできていませんが、それでもかなり静かな印象を受けるので、実物では相当な静けさを体感できるのではないでしょうか?
特に車内での体感はかなり期待できそうです。
それと、もう一つ面白いと思ったのが、燃料刺激力です。
SKYACTIV-Xは、SKYACTIV-G比で14倍大きく、SKYACTIV-D比で2倍近く大きいの差があるそうで、SKYACTIV-Xに合わせた遮音処置ではコスト面で過剰になるそうです。
だから、このカプセル化技術は「SKYACTIV-X専用」なんですね。
こういったコストも価格に反映されているのかもしれません。
他にも、SKYACTIV-Dでの技術が大いに役立っているようですね。
あのナチュラルサウンドスムーサー(NSS)もSKYACTIV-Xに搭載されているそうです。こうした、発明の連続で良い商品を作り続けているのがマツダの良いところです。
細かい話で目立たないですが、この積み重ねが大事ですもんね。