今年もマツダ技報の季節がやって参りました。
今回は「悪路耐久試験への自動運転の適用」についてです。
前回:【マツダ技報2020】北米向け「SKYACTIV-G2.5T」では「高効率マニホールド内蔵型水冷インタークーラー」を搭載
前回、北米向けのガソリンターボエンジンの技法を読みました。コンパクトなボディにターボエンジンを搭載しつつ、性能向上をしているのはさすがマツダですね。
そして、今回個人的に気になる論文「悪路耐久試験への自動運転」というものが掲載されていました。
従来はテストドライバーの方が実際に運転してテストを実施しており、これには大きな身体的負荷がかかるそうです。そこで「自動運転装置」を悪路耐久試験への適用に取り組み、さらなる労務環境改善と開発効率の向上を実現したそうです。悪路を走行するのは人間でも緊張するものですが、自動運転でできるんですねぇ。
マツダが採用した自動運転装置は、イタリアのHI-TEC社(技術サポート:東陽テクニカ)の装置を選定、GNSSから得られ自車位置と速度情報を活用する自律型の高精度GPS方式を採用したと書かれています。ちなみに、車両と基地との通信には「LTE回線」を選定。
また、パナソニックソリューションズジャパンの専用Wi-Fiネットワークシステムを追加して遠隔操作及び監視システムを運用していると書かれています。マツダとパナソニックの関係はかなり近しい物となっているんですねぇ。役員にもパナソニックの方がいらっしゃいましたし、新世代マツダコネクトもパナソニック製ですし。
このシステムを採用することによって、熟練ドライバーの運転でも長時間の再現はこんなといえる高いレベルにも対応できるため、まさに人への負担は減りそうです。今後は「5G通信」にも注視していくと書かれているので、将来はもっと大容量な通信を行うことでさらなる高度な自動運転が可能になるのかもしれません。
マツダのデジタル化はどんどん進んでいきますねぇ。